発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009234173
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18歳女。患者は低身長を契機に、1歳時に染色体検査でTurner症候群(45,X)と診断され、無月経や外反肘、後頭部毛髪線低位等を伴っていた。今回、下腹部痛と発熱を主訴とし、検査所見では鉄欠乏性貧血、CRP高値、低アルブミン血症、血小板数増多が認められた。一方、腹部CTでは下行結腸周囲に脂肪織濃度の上昇が認められ、大腸内視鏡では横行結腸、下行結腸に縦走潰瘍、敷石像、浮腫がみられ、S状結腸に易出血性の潰瘍が散在していた。以上より、本症例は大腸型のCrohn病と診断され、治療として中心静脈栄養を行い、あわせてmesalazine投与を開始したが、高熱が出現し、内服を中止した。その後、症状は改善傾向にあったものの、泥状便と間欠的微熱は持続したため、第27病日目からazathioprineの内服を開始し、第29病日目にinfliximabを投与したところ、症状は速やかに改善した。以後、退院となってからはinfliximab維持投与を行い、目下は寛解を維持している。尚、Turner症候群とCrohn病の併発は検索した限り5例の報告を認めるのみであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009