発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009197999
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小児神経疾患は疾患の特性を考慮し、緊急性を判断し、適切に対応する必要がある。「けいれん」では熱性けいれんがもっとも多い。熱性けいれんは単純型か複雑型かを判別し、複雑型の場合は背景に基礎疾患がある可能性が高く、専門医療機関での対応が必要である。けいれんの鑑別には発作時や発作前後の様子などを詳細に問診することが重要で、発作時ビデオ撮影も有用である。「意識障害」は開眼の有無、音や刺激への反応性、普段の様子との違いから判断する。基礎疾患の有無、意識障害発症の経過やそれまでの治療内容を聴取し、発症機転が不明な場合や保護者の受け答えが不自然な場合は虐待も念頭に置いて慎重に対応する。「頭痛」は一次性頭痛か感染症や頭痛外傷に伴う二次性頭痛がほとんどである。髄膜刺激徴候、けいれん、意識障害、局在性神経徴候、激烈な頭痛の場合は緊急性を要する二次性頭痛の可能性がある。発達はある一面のみで評価せずに、運動面、社会面、言語面を横断的かつ縦断的に評価して判断する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009