頭痛・めまいの診療 確実な診断・治療をするために今必要なこと
頭痛患者を正確に診断する 危険な頭痛を見落とさない系統的アプローチと鑑別診断を知る
清水 俊彦
1
1東京女子医科大学 脳神経外科
キーワード:
ヘルペスウイルス科感染症
,
下垂体腫瘍
,
MRI
,
鑑別診断
,
頭痛
,
脳動静脈奇形
,
副鼻腔炎
,
もやもや病
,
頭痛障害
,
椎骨動脈解離
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Intracranial Arteriovenous Malformations
,
Headache
,
Herpesviridae Infections
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pituitary Neoplasms
,
Moyamoya Disease
,
Sinusitis
,
Headache Disorders
,
Vertebral Artery Dissection
pp.849-853
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009197978
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危険な頭痛を見落とさないためには、一次性頭痛の病態生理、臨床症状を把握し、それとの相違点を鑑別することが重要である。片頭痛と群発頭痛の発症には脳血管周囲の三叉神経終末が密に関与しているため、結果として三叉神経終末を刺激する疾患である。もやもや病、脳動静脈奇形、副鼻腔炎などは、近似した頭痛を呈する。緊張型頭痛と近似する頭痛を呈する疾患としてラトケ嚢胞が代表的であるが、近年、雷鳴頭痛の原因として、その壁細胞内にある杯細胞からの自然排液が注目されている。一次性頭痛の診断基準から、明らかに、その頻度、程度が逸脱している場合には、増悪因子として、甲状腺機能障害や帯状疱疹ウイルスの影響を考慮して、必要に応じて血液学的検査を施行する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009