肺癌生存期間延長の謎 今何が起こっている?
肺癌治療における副作用対策 薬剤性間質性肺炎への対策 臨床研究・疫学研究でわかってきたこと
加藤 晃史
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器科
キーワード:
コホート研究
,
肺腫瘍
,
疫学的研究
,
肺炎-間質性
,
Erlotinib
,
Gefitinib
Keyword:
Erlotinib Hydrochloride
,
Lung Neoplasms
,
Cohort Studies
,
Epidemiologic Studies
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Gefitinib
pp.312-315
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125139
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薬剤性間質性肺炎は、肺癌化学療法を行う際にもっとも注意を要する有害事象の一つである。gefitinibによる薬剤性間質性肺炎は、とくに激しい経過をとることがあり社会問題になったが、それを契機にこの領域の疫学研究は急速に進んだ。薬剤性間質性肺炎の発症頻度は、日本人でとくに高く、化学療法前から存在する間質性肺炎、線維化病変が発症危険因子となっていたことが、疫学研究で明らかになった。高リスク群を除外することにより、gefitinibによる薬剤性間質性肺炎の発症割合は減少したが、他の薬剤でも薬剤性間質性肺炎発症はまれではなく、間質性肺炎合併肺癌に対する治療法の検討が、重要な課題となっている。
©Nankodo Co., Ltd., 2009