肺癌生存期間延長の謎 今何が起こっている?
主要臓器合併症を伴う肺癌患者の治療 胸水貯留例への対応
澤 祥幸
1
1岐阜市民病院 呼吸器科呼吸器腫瘍内科
キーワード:
胸腔鏡法
,
胸水
,
肺腫瘍
,
胸膜癒着術
,
放射線外科
,
癌性胸膜炎
,
胸腔ドレナージ
,
重粒子線治療
,
分子標的治療
Keyword:
Lung Neoplasms
,
Pleural Effusion
,
Thoracoscopy
,
Radiosurgery
,
Pleurodesis
,
Molecular Targeted Therapy
,
Heavy Ion Radiotherapy
pp.297-300
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125136
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胸水貯留は、標準治療を行うに際して障害となり、ひいては予後不良の原因となる。近年、胸水の原疾患診断と治療成績の向上、胸水貯留時の肺癌治療成績の向上、癌性胸水の制御とその後の治療成績の向上により、生命予後が改善されつつある。肺癌に関連のない胸水では原疾患の治療が可能となり、それに伴い胸水制御後に肺癌治療が可能となった。また合併症が制御できなくても、早期癌には術後管理・胸腔鏡補助下手術、定位照射、粒子線治療を用いた治療が可能である。癌性胸膜炎では、胸膜癒着後の癌化学療法が進歩し、進行肺癌の予後そのものが改善している。EGFR遺伝子変異陽性例では、分子標的薬により、胸水制御を含めた延命効果が見込める。
©Nankodo Co., Ltd., 2009