肺癌生存期間延長の謎 今何が起こっている?
主要臓器合併症を伴う肺癌患者の治療 肺癌脳転移への適切な対処
関 順彦
1
,
太田 修二
,
江口 研二
1帝京大学 腫瘍内科
キーワード:
頭部照射
,
脳腫瘍
,
肺腫瘍
,
診療ガイドライン
,
頭部CT
Keyword:
Brain Neoplasms
,
Lung Neoplasms
,
Cranial Irradiation
,
Practice Guidelines as Topic
pp.290-296
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125135
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肺癌脳転移の治療戦略としては、(1)外科切除、(2)全脳照射、(3)定位放射線照射、(4)髄膜播種に対する抗癌薬の髄腔内注入、などが施行されるが、目的は神経症状の緩和と腫瘍の制御や増殖抑制であり、根治は困難である。『EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2005年版』によると、肺癌脳転移に対しては、原則的に外科療法の適応はないが、脳表に単発転移のみが存在し、他臓器転移やリンパ節転移がない患者では、外科切除を行うよう勧められている。また、全脳照射は標準治療の一つとして行うよう勧められている。さらに、多くとも4個以内の脳転移は、定位手術的照射を行うよう勧められている。しかし、癌性髄膜炎に対する確固としたエビデンスは、いまだ構築されていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009