肺癌生存期間延長の謎 今何が起こっている?
非小細胞肺癌の標準治療と今後の展望 III期非小細胞肺癌における外科切除療法を含む集学的治療
伊達 洋至
1
1京都大学 大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学
キーワード:
肺癌-非小細胞
,
集学的治療
,
ランダム化比較試験
,
ネオアジュバント療法
Keyword:
Carcinoma, Non-Small-Cell Lung
,
Combined Modality Therapy
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Neoadjuvant Therapy
pp.271-274
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125131
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
III期の中でIIIB期非小細胞肺癌の標準治療は放射線化学療法である。しかしながら、IIIA期においては、手術療法の集学的治療への役割は大きい。術前療法に関しては、試験によって結果が異なることが多く、いまだ明らかな有効性が証明されていない。術前放射線化学療法には大きな期待が寄せられている。一方、複数の試験結果に基づいて、術後病期IB、II、IIIA期完全切除例に対しては術後化学療法を行うように推奨(グレードB)されるようになった。しかしながら、IIIA期に限った場合、術後化学療法の有用性は明らかではない。このように、III期とくにIIIA期非小細胞肺癌の治療法選択には確立されたものはなく、今後の重要な検討課題である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009