膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
早期膵癌を発見するための診断戦略 膵癌高危険群の囲い込みと早期膵癌発見
多田 稔
1
,
松原 三郎
,
笹平 直樹
,
平野 賢二
,
川邊 隆夫
,
小俣 政男
1東京大学 消化器内科
キーワード:
ras遺伝子
,
鑑別診断
,
膵液
,
膵臓腫瘍
,
膵嚢胞
,
変異
,
発生率
,
リスク
,
早期診断
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Pancreatic Cyst
,
Pancreatic Juice
,
Mutation
,
Pancreatic Neoplasms
,
Risk
,
Genes, ras
,
Incidence
,
Early Diagnosis
pp.663-665
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338450
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IPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm)、膵嚢胞症例では膵液中に変異ras遺伝子が検出され、膵発癌高危険群となる可能性を考え経過観察を行ってきた。その結果、平均4年の経過観察期間中、197例中7例に膵癌の発生を認めた。膵癌発生は年率0.95%であり、『国民衛生の動向』における年齢性別膵癌のデータに基づく予測値0.042%と比較して、有意に高かった。したがって、これらの疾患群を拾い上げて効率のよいスクリーニング検査を行えば、偶然にしかみつからなかった早期膵癌の診断増加につながると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008