悪性リンパ腫診療update in 2008 最新のエビデンスに基づく診断と治療
悪性リンパ腫を極める 各病理組織型に基づく治療法 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
稲熊 容子
1
,
岡本 昌隆
1藤田保健衛生大学 医学部内科(血液・化学療法科)
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
生存率
,
リンパ腫-B細胞性
,
リンパ腫-びまん性大細胞型B細胞性
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
CHOP Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Survival Rate
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Lymphoma, B-Cell
,
Lymphoma, Large B-Cell, Diffuse
,
Treatment Outcome
,
VAP-cyclo Protocol
pp.306-311
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008287685
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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、臨床病態、病理組織学所見、細胞表面形質、責任遺伝子・染色体異常などにおいて、きわめて不均一で多彩な疾患群であり、症例個々の病態に則した治療選択が必要である。限局期症例は、病変部位とリスクにより、短期化学療法+領域照射、または進行期と同様にフルコースの化学療法が適応であるかを検討する必要がある。進行期は、フルコースの化学療法±領域照射±造血幹細胞移植が基本となる。化学療法は、一般的にはCHOP療法が標準と考えられており、rituximabを併用するのが基本である。造血幹細胞移植は、rituximab導入以後はそれ以前に比し、適応が減じている可能性がある。強化療法としての適応は、病態と時期を考慮する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2008