悪性リンパ腫診療update in 2008 最新のエビデンスに基づく診断と治療
悪性リンパ腫を捉える 正確な診断に必要な方法論 免疫関連遺伝子再構成 免疫グロブリン遺伝子・T細胞受容体遺伝子解析
木村 暢宏
1
,
川本 研一郎
,
竹下 盛重
キーワード:
PCR法
,
遺伝子再配列
,
Immunoglobulin遺伝子
,
遺伝子多型
,
転座
,
リンパ腫
,
サザンブロッティング
,
T細胞受容体遺伝子
Keyword:
Genes, Immunoglobulin
,
Lymphoma
,
Polymorphism, Genetic
,
Blotting, Southern
,
Translocation, Genetic
,
Polymerase Chain Reaction
,
Gene Rearrangement
,
Genes, T-Cell Receptor
pp.257-261
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008287676
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悪性リンパ腫の遺伝子診断で免疫関連遺伝子のサザンブロット法は、もっとも早期に取り入れられ、腫瘍クローンの分析においてゴールデンスタンダードである。リンパ球のIgやTCRの多様性は、天文学的な数である。αβT細胞の80%は、δ鎖を欠失しγ鎖再構成を示す。またγδT細胞のほとんどは、β鎖再構成を示す。BIOMED-2 multiplex PCR法により、B細胞クローンはIGHとIGK検査で、T細胞クローンはTCRγ鎖とβ鎖検査でほとんどを認識する。サザン法で1~5%以上の存在で、PCR法では10^4~5個に1個以上の存在で単一クローンを認識する。PCR法では腫瘍性か反応性か、判定に慎重性を要する。特有な免疫関連遺伝子の定量的リアルタイムPCR法は、微小残存病変の検出、治療効果のモニタリングや治療戦略の検討にきわめて有効である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008