分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
白血病の診断方法 染色体分析 分染法とFISH法 どう使い分けるか?
谷脇 雅史
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1京都府立医科大学 血液・腫瘍内科学・遺伝子診療部
キーワード:
PCR法
,
遺伝子再配列
,
染色体分染法
,
転座
,
白血病
,
Fluorescence in Situ Hybridization
,
スペクトル核型分析
Keyword:
Chromosome Banding
,
Leukemia
,
Translocation, Genetic
,
Polymerase Chain Reaction
,
Gene Rearrangement
,
In Situ Hybridization, Fluorescence
,
Spectral Karyotyping
pp.218-222
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003449
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20細胞の染色体分析では、統計学的に信頼度99%の場合、<21%のモザイクが検出感度以下、50個と100個の分析ではそれぞれ<9%と<5%である。染色体構造異常を1細胞のみに検出した場合(single cell abnormality)であっても、腫瘍クローンの存在が示唆される。とくに、病型特異的異常には診断的意義がある。間期核FISH法では、シグナルの分離より融合を検出する方法が高感度であり、二つのプローブが100~200kbに近接した場合には、シグナルは重なる。SKY法では、転座によって隣接した蛍光が境界領域で合成された色調を呈し、「挿入(insertion)」と誤る場合があるので注意を要する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007