急性腎不全 AKIシラバス
内科医が知っておくべきAKIの主な病態 産科疾患とAKI
小原 まみ子
1
1亀田総合病院 腎臓高血圧内科
キーワード:
急性腎障害
,
妊娠
,
妊娠高血圧症候群
,
HELLP症候群
Keyword:
Pregnancy
,
HELLP Syndrome
,
Hypertension, Pregnancy-Induced
,
Acute Kidney Injury
pp.56-60
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008258126
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妊娠時には、全身末梢血管抵抗の低下、30~50%にも及ぶ心拍出量・循環血液量、糸球体濾過量・腎血流量の増加など、母体に大きな生理的変化が生じている。いわば「生理的異常状態」にある妊娠に関して急性腎不全をきたす病態の重要なものとして、妊娠高血圧症候群とHELLP症候群があげられる。これらの病態は依然として解明されていないことが多く、治療に関しても、現在改めて検討が進められ見解が動いているところである。また、妊婦診療において一般の内科診療と異なる重要な視点は、一人の妊婦の体内に母体・胎児という二つの個体が存在し、母体の病態、全身状態に加えて、胎児の状態・発育、妊娠週数を鑑み、総合的に判断する必要があることであり、内科医と産婦人科医とが密接な連携をとり診療することが大切である。
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