急性腎不全 AKIシラバス
内科医が知っておくべきAKIの主な病態 HIVとAKI
潟永 博之
1
1国立国際医療センターエイズ治療研究開発センター
キーワード:
AIDS関連腎症
,
HIV
,
HIV Infection
,
糸球体濾過率
,
腎臓疾患
,
抗HIV剤
Keyword:
Glomerular Filtration Rate
,
HIV
,
Kidney Diseases
,
HIV Infections
,
AIDS-Associated Nephropathy
,
Anti-HIV Agents
pp.52-55
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008258125
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HIV腎症は、ほとんどアフリカ人に限られ、日本人ではきわめてまれである。HIVは腎尿細管上皮に感染し、HIV腎症では、尿細管上皮の増殖と局所的な炎症を起こす。抗HIV療法はHIV腎症を改善するが、抗HIV薬による腎障害は起こりうる。注意すべき薬剤は、indinavirとtenofovirである。日本人では、HIV腎症よりもむしろ、抗HIV療法や日和見疾患の予防、あるいは治療による副作用としての薬剤性腎障害のほうが問題である。低GFR患者に対しては、プロテアーゼ阻害薬や非核酸系逆転写酵素阻害薬では投与量調節の必要はないが、abacavir以外の核酸系逆転写酵素阻害薬ではGFRに応じた減量投与が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008