発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196553
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70歳男。2003年7月よりC型慢性肝炎による肝機能異常でネオミノファーゲンC(SNMC)投与を受けていたが、9ヵ月後から血圧コントロール不良となり、amlodipineに加えtrichlormethiazideを投与された。2004年10月頃から肝機能が悪化し、トランスアミラーゼの低下が不十分なためSNMCを増量調整したが、3ヵ月後より全身の脱力と四肢痛を自覚し、症状が悪化のため当院入院となった。両上下肢に近位筋優位の筋力低下と把握痛を認め、全身の腱反射は減弱・消失していた。CPK、ミオグロビンと筋原性酵素の著明な上昇と血清K値の著明な低下を認めた。心電図ではT波の平定化と心室性期外収縮を認めた。以上の所見から、低カリウム性横紋筋融解症と診断した。SNMCとtrichlormethiazideを中止してKの点滴投与開始で血清K値は上昇し、入院6日後には筋痛消失と共に自力歩行可能となりKの経口投与変更で退院し、退院後1週間には血清K値は正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008