CABG 2009年
他血管疾患との合併手術 頭蓋外脳血管病変を有するCABG 頸動脈血栓内膜摘除術との同時手術の適応と成績
田中 慶太
1
,
成瀬 好洋
,
幕内 晴朗
1虎の門病院循環器センター 外科
キーワード:
冠状動脈バイパス術
,
放射性核種イメージング
,
頸動脈狭窄
,
頸動脈内膜切除術
,
治療成績
,
Hyperperfusion症候群
Keyword:
Coronary Artery Bypass
,
Radionuclide Imaging
,
Carotid Stenosis
,
Endarterectomy, Carotid
,
Treatment Outcome
pp.50-55
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009071787
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頭蓋外脳血管病変を認めた77例(男60例・女17例・平均69.5歳)を対象に、脳血流低下を認めなかった30例には通常の冠状動脈バイパス術(CABG)を、中等度の脳血流低下を認めた31例には大動脈内バルーンパンピング(IABP)などで脳灌流圧低下を防止するCABGを行い、高度脳血流低下の16例には血行再建術を併用した。併用内訳は頸動脈ステント留置術先行で二期的にCABG施行が2例、CABG先行で二期的に頸動脈内膜摘除術(CEA)施行が2例、CABGとCEAの同時施行12例であった。術後脳梗塞は2例に認め、うち1例は同時施行例であった。手術死亡は敗血症性ショック1例、術後肝性昏睡・心不全1例、入院死亡は多臓器不全1例であった。同時施行例において入院死亡はなく、術後IABPを3例に、長期人工呼吸管理を2例に要した。4例で術前自己血貯血を行い、同種血輸血回避は2例であった。また1例で過灌流により右半身の重度の一過性運動機能障害が発生し、厳重な血圧管理とリハビリテーションを長期間行った。
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