腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 肝・胆・膵 胆嚢癌
古瀬 純司
1
,
仲地 耕平
,
鈴木 英一郎
,
清水 怜
1国立がんセンター東病院 肝胆膵内科
キーワード:
危険因子
,
胆嚢腫瘍
,
胆嚢切除
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
Gemcitabine
,
Tegafur-Uracil
,
TS-1
Keyword:
Cholecystectomy
,
Gallbladder Neoplasms
,
Risk Factors
,
Treatment Outcome
,
Multicenter Studies as Topic
,
Gemcitabine
pp.1201-1206
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061411
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胆嚢癌の臨床症状としてもっとも多いものは右上腹部痛であるが、早期胆嚢癌の特有な症状はほとんどなく、検診や他の疾患でのスクリーニング検査が発見の契機となることが多い。胆嚢癌の決め手となるrisk factorは少ない。しかし、膵・胆管合流異常では、高率に胆嚢癌の発生が認められている。胆嚢癌において根治が期待できる治療法は切除手術であり、切除が第一選択の治療法である。非切除治療としては主に全身化学療法が行われるが、無作為化比較試験に基づく標準治療は確立していない。現在のところ、gemcitabine(GEM),tegafur・gimeracil・oteracil potassium配合(TS-1)などが使用可能であり、今後、無作為化比較試験による検証が必要である。化学療法の有害事象として、とくに胆管炎の併発に注意を払う必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007