腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 肝・胆・膵 肝細胞癌
山下 竜也
1
,
荒井 邦明
,
金子 周一
1金沢大学附属病院 消化器内科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
肝臓移植
,
腫瘍進行度
,
肝動脈塞栓術
,
肝動脈内注入化学療法
Keyword:
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplasm Staging
,
Liver Transplantation
pp.1186-1194
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061409
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肝細胞癌の診断は、背景の慢性肝疾患と画像診断、腫瘍マーカーより診断する。肝細胞癌の治療には、(1)肝切除、(2)肝移植、(3)経皮的局所療法、(4)肝動脈塞栓療法が確立されており、化学療法と放射線療法はいまだ確立されていない。治療法の選択には、癌の進行度と肝予備能の両者を考慮しなければならない。進行肝細胞癌に対して化学療法が行われるが、標準的な治療方法はなく、本邦では、インターフェロン併用fluorouracil(5-FU)肝動注や、低用量cisplatin併用5-FU肝動注が行われることが多い。肝動注には、抗癌薬以外のカテーテル留置に伴う合併症がある。放射線療法は、研究段階の治療である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007