白血病診療essentials 日常臨床に必要な最新の診断と治療
白血病診断のためのアプローチ 染色体検査
鈴木 律朗
1
1名古屋大学 大学院医学系研究科造血細胞移植情報管理・生物統計学
キーワード:
骨髄検査
,
染色体異常
,
染色体分染法
,
白血病
,
白血病-急性骨髄性
,
白血病-BCR-ABL陽性慢性骨髄性
,
Fluorescence in Situ Hybridization
,
スペクトル核型分析
,
白血病リンパ腫-前駆細胞リンパ芽球性
,
WHO分類
Keyword:
Bone Marrow Examination
,
Chromosome Aberrations
,
Chromosome Banding
,
Leukemia
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Leukemia, Myelogenous, Chronic, BCR-ABL Positive
,
In Situ Hybridization, Fluorescence
,
Spectral Karyotyping
,
Precursor Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
pp.216-226
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010289026
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染色体検査は、白血病の診断や治療において今日では欠くことのできない検査である。染色体転座は多くの白血病で認められ、それに伴う遺伝子転座が腫瘍化の原因であるのはいうまでもないが、今日では染色体転座の種類によって病型まで分けられるようになってきた。責任遺伝子の判明している染色体異常だけでも今日にはかなりの数にのぼるが、転座の片方の遺伝子がキーになっていることが多く、それを中心に考えると理解しやすい。重要性の判明していない染色体異常も多いが、染色体末端(テロメア)に位置する転座や微小欠失など通常の染色体検査でわからない異常が重要であるケースも判明してきている。それぞれの染色体異常の特徴を知って、日常臨床に役立てる必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010