分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
白血病の診断方法 形態学 なぜ、今でも形態学は重要か?
栗山 一孝
1
1琉球大学 医学部保健学科病態検査学血液免疫検査学分野
キーワード:
骨髄異形成症候群
,
骨髄増殖性疾患
,
鑑別診断
,
白血病
,
白血病-急性骨髄性
,
FAB分類
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Leukemia
,
Myelodysplastic Syndromes
,
Myeloproliferative Disorders
,
Leukemia, Myeloid, Acute
pp.214-217
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003448
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性骨髄性白血病(AML)/WHO分類第1カテゴリーでは、芽球増殖の有無にかかわらず、特異的染色体・遺伝子変異を認めることで診断する。AML/WHO分類第2カテゴリーの診断は、骨髄の2血球系以上に異形成(dysplasia)を認めることであり、FAB分類にはなかった形態学的診断力を要する。骨髄異形成症候群(MDS)の診断は、今でも形態診断が重要であるが、dysplasiaの基準が課題としてある。新しい骨髄異形成・骨髄増殖性疾患(MDS/MPD)カテゴリーは、形態学的dysplasiaを認めることが診断の基本である。急性白血病の治療評価と経過観察における形態学の有用性は高い。形態診断による急性白血病の早期発見が増加しており、臨床検査技師と連携した診断システムの確立が重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007