分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
白血病発症機構解明の30年間の進歩 さらなる分子標的療法開発の予感
一戸 辰夫
1
,
内山 卓
1京都大学 大学院医学研究科血液・腫瘍内科学
キーワード:
Histones
,
癌抑制遺伝子
,
癌遺伝子
,
白血病
,
白血病-急性骨髄性
,
フィラデルフィア染色体
,
DNAメチル化
,
MicroRNAs
,
分子標的治療
Keyword:
Histones
,
Leukemia
,
Oncogenes
,
Philadelphia Chromosome
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Genes, Tumor Suppressor
,
DNA Methylation
,
MicroRNAs
,
Molecular Targeted Therapy
pp.200-206
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003446
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過去30年間における細胞遺伝学的知見の集積と分子生物学的解析の進展を通じて、白血病の発症には細胞増殖や細胞周期の制御に関連するさまざまな遺伝子の構造的・機能的異常が関与していることが明らかにされている。白血病の発症や進展に関与する新たな分子機構として、DNAメチル化やヒストン修飾、マイクロRNAなどによる遺伝子転写・翻訳の脱制御が報告されている。多くの白血病の原因は複合的であり、有効性の高い分子標的薬剤を開発するためには、これまでに蓄積された膨大な情報が統合され、さらに本質的な発病分子機構の理解が可能となることが必要と思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007