リウマチ治療の新時代 治療薬を使いこなす
臓器病変・合併症を有する関節リウマチのリスクマネージメント 消化器病変
三宅 一昌
1
,
坂本 長逸
1日本医科大学 消化器内科
キーワード:
Diphosphonates
,
胃潰瘍
,
関節リウマチ
,
消化器疾患
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
副腎皮質ホルモン
,
免疫抑制剤
,
リスクマネジメント
,
除菌療法
Keyword:
Adrenal Cortex Hormones
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Digestive System Diseases
,
Diphosphonates
,
Immunosuppressive Agents
,
Risk Management
,
Stomach Ulcer
pp.621-623
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007195244
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関節リウマチ(RA)患者は、多因子的にさまざまな消化管病変(内視鏡的びらん、消化性潰瘍)や消化管機能障害をきたすと考えられる。RA患者において多く経験する消化管病変は、NSAIDs起因性病変であり、全消化管に起こりうるが、とくに胃に高頻度にみられる。RA患者の消化性潰瘍は、症状が現れにくく、突然の出血や穿孔を初発症状とすることがあり注意を要する。NSAIDsによるプロスタグランジン(PG)の低下が潰瘍発生の主因であるが、PGの低下は潰瘍発生だけではなく、潰瘍の治癒を遷延させる。つまり、NSAIDs潰瘍の治療ではNSAIDsの中止が重要である。NSAIDs継続下における潰瘍治癒や予防を目的とした薬剤療法は、プロトンポンプ拮抗薬(PPI)およびPG製剤が有効である。NSAIDs長期投与を予定している場合、開始前にHelicobacter pyloriの除菌をすれば、NSAIDs潰瘍を予防しうる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007