発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007160141
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症例は77歳の女性で、脳梗塞とB型慢性肝炎、糖尿病、高血圧の既往があり、これらの加療中に変形性膝関節症を発症し、非ステロイド性消炎鎮痛剤を処方された。その後、全身倦怠感、冷汗、ふらつき感が出現し、緊急検査を行ったところ、67mg/dlと低血糖傾向を認めた。次第に意識レベルが低下し、5%ブドウ糖液200mlの点滴により意識が正常化し、自覚症状も消失した。点滴終了時の血糖値は118mg/dlであった。同日夕からnateglinideの内服を中止し、その後の随時血糖は131mg/dlであり、低血糖症状は見られなくなった。本症例では、nateglinideと非ステロイド性消炎鎮痛剤の併用による低血糖発作であったことが推測された。併用に際しては患者に対するインフォームドコンセントをするなどの事前の注意が必要であると考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2007