メタボリックシンドローム どう診断し、どう対処するか
知っておくべき代謝疾患に関するエビデンス 耐糖能異常
西村 理明
1
1東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
糖負荷試験
,
介入研究
,
耐糖能障害
,
Thiazolidinediones
Keyword:
Glucose Tolerance Test
,
Glucose Intolerance
,
Thiazolidinediones
pp.69-76
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007160121
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糖尿病の発症予防を目指して、耐糖能異常(IGT)や空腹時高血糖(IFG)を対象としたさまざまな大規模介入研究が立案・実施されるようになった。アジア人では、ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間後血糖値のみが上昇するIGTの割合が、IFGより高い。IGTは、心血管疾患による死亡の危険因子であり、昨今、重要な介入対象として注目されている。大規模臨床試験のDPSとDPPは、糖尿病の発症予防に、生活習慣への介入がきわめて効果的であることを明確に示した。最近DREAM trialが、チアゾリジン誘導体(TZD)による介入も糖尿病の発症予防に有効であることを示した。薬剤による介入を、糖尿病発症予防における第一選択の一つとすべきか否かについては、慎重な議論が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007