メタボリックシンドローム どう診断し、どう対処するか
知っておくべき代謝疾患に関するエビデンス 糖尿病
山崎 力
1
1東京大学 大学院医学系研究科クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット
キーワード:
高血圧
,
脂質異常症
,
心筋梗塞
,
糖尿病
,
脳卒中
,
Pioglitazone
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Hypertension
,
Myocardial Infarction
,
Stroke
,
Dyslipidemias
,
Pioglitazone
pp.77-81
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007160122
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
PPARγアゴニストのpioglitazoneを用いた大規模試験PROactiveが、2005年に発表された。PROactiveは、血糖降下薬が大血管イベントの発症を抑制できることを前向きに証明したはじめての試験で、2型糖尿病のハイリスク患者において、pioglitazoneが「総死亡+非致死性心筋梗塞+脳卒中」の発症を減少させることが明らかになった。また、pioglitazoneがインスリン治療への移行を減少させることも示された。PROactiveでもっとも注目すべきは、糖尿病、高血圧、高脂血症に対して最適の治療を行ったうえで、唯一pioglitazoneを使用するか否かの一点のみを両群で変えて行った比較試験で、客観性が高く、もっとも信頼できるハードエンドポイントに差が出たということであろう。
©Nankodo Co., Ltd., 2007