インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略
鳥インフルエンザから新型インフルエンザへ
谷口 清州
1
1国立感染症研究所感染症情報センター
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
インフルエンザ-トリ
,
疾病の発生
,
インフルエンザウイルスA型H5N1亜型
Keyword:
Disease Outbreaks
,
Influenza in Birds
,
Influenza, Human
,
Influenza A Virus, H5N1 Subtype
pp.773-778
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007076251
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2006年6月現在、A/H5N1亜型のインフルエンザウイルスの家禽における感染地域は拡大しつつあり、感染している家禽と濃厚に接触したヒトへの感染も持続している。感染源は、H5N1に感染した、病鳥や死鳥の体液・排泄物であり、これらからの飛沫、あるいは体液・排泄物への濃厚な接触によりヒトへ感染している。鳥からヒトへの感染効率はいまだ不良であり、持続的なヒト-ヒト感染はないが、患者との濃厚な遷延する接触により感染する可能性はある。初発症状は非特異的な発熱と咳である。早期診断のためには、感染家禽(病鳥、死鳥)あるいは肺炎患者との接触の状況がもっとも重要であり、渡航歴、接触歴を含めた病歴の聴取が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2006