インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略
ヒトの鳥インフルエンザ感染症の臨床
加藤 康幸
1
1国立国際医療センター 呼吸器科
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
インフルエンザ-トリ
,
疾病の発生
,
感染予防管理
,
Oseltamivir
,
インフルエンザウイルスA型H5N1亜型
Keyword:
Disease Outbreaks
,
Influenza in Birds
,
Influenza, Human
,
Infection Control
,
Influenza A Virus, H5N1 Subtype
,
Oseltamivir
pp.872-875
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007076270
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2003年から、家禽の高病原性鳥インフルエンザH5N1が大規模発生し、家禽から直接感染したと考えられるヒト症例も多数報告されるようになった。患者の多くは若年者で、死んだ家禽に直接触れるなどの感染リスクの高い行為が確認されている。潜伏期は2~5日で、第5病日ごろに、肺炎の症状、所見が出現する場合が多い。確定症例全体の致死率は56%で、10~19歳の群でもっとも高い。家族内集積事例は、ヒト-ヒト感染がまれにあることを示している。白血球減少、血小板減少が認められるほか、血清トランスアミナーゼが高値を示すことが多い。oseltamivirが治療に使用されるが、通常より高用量が必要かもしれない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006