インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略
内科医が知っておくべきインフルエンザの基礎知識 インフルエンザのウイルス学
板村 繁之
1
1国立感染症研究所 ウイルス第3部
キーワード:
赤血球凝集素
,
インフルエンザ-ヒト
,
Exo-Alpha-Sialidase
,
インフルエンザウイルスA型
,
インフルエンザウイルスB型
Keyword:
Hemagglutinins
,
Influenza, Human
,
Influenza A virus
,
Neuraminidase
,
Influenza B virus
pp.779-786
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007076252
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インフルエンザウイルスには大きく分けてA,B,C型があり、A型はさらに、ウイルス表面蛋白のヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)によって多くの亜型に分類される。ヒトで流行を起こしたことがない亜型のウイルスは、新型インフルエンザウイルスとなる可能性がある。ウイルス遺伝子が分節構造のため容易に遺伝子再集合体が形成されることと、ウイルス遺伝子が高頻度で変異を起こすことが、新型インフルエンザウイルス出現の基盤になっている。抗インフルエンザウイルス薬のzanamivirやoseltamivirはウイルス蛋白のNA蛋白を、amantadineはM2蛋白を標的として、ウイルス増殖の特定の過程に特異的に作用することによって、抗ウイルス作用を発揮している。
©Nankodo Co., Ltd., 2006