発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018856
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65歳女。右側胸水、腹水および著明な下肢浮腫を認め肝合成機能の低下、心機能低下、甲状腺機能低下があり、利尿薬内服とlevothyroxineを開始したが改善を認めず症状増強で入院した。慢性甲状腺炎と診断し甲状腺ホルモン製剤と利尿薬で経過をみるも胸水腹水は改善せず肺炎を併発しICU管理となり抗生物質を投与するも状態の改善は認められなかった。肺炎発症前のACTH高値などから副腎機能不全を疑い、rapid ACTHを施行した。その後、副腎皮質抗体陽性と判明したため、副腎皮質機能低下症と診断した。methylprednisolone(m-PSL)の点滴で肝合成機能の改善、胸水腹水の著明な減退、呼吸状態、全身状態の改善を認めステロイド製剤を徐々に減量、その後も全身状態良好で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006