発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018855
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30歳男。16歳時より汎下垂体機能低下症に対し、hydrocortisone、levothyroxine、desmopressin acetate 2スプレーにてコントロールしていた。hydrocortisone10mgに軽減したところ、全身倦怠感を自覚し一時的に低血圧も出現した。また、肉体労働を行うようになり全身倦怠感は増強、ストレス解消のため喫煙するようになった。体温上昇、息苦しさから自力で動くことができず、低酸素血症、著明な炎症反応を認め精査加療目的で入院した。画像所見から肺炎と診断した。しかし、入院3日目の気管支鏡検査でBALにて好酸球が30%認められ、画像所見、現病歴と併せて急性好酸球性肺炎と考えた。感染症下で副腎皮質ホルモンの需要増大が続いていると考え、抗生物質投与と伴にhydrocortisoneの継続を行った。徐々に酸素分圧、熱型、炎症反応、全身状態は改善し5日目に半減量とし、6日目O2の1l/min経鼻投与でPaO2 95mmHg、WBC10、600/μl、CRP2.6mg/dlとなり、7日目よりhydrocortisoneを15mgまで徐々に減量し、その後悪化することなく13日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006