発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007007016
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成人急性リンパ性白血病の化学療法の予後因子は,年齢,白血球数,染色体異常,寛解到達期間である.中でもフィラデルフィア(Ph)染色体は,絶対的予後不良因子である.第一寛解期の同種移植は標準リスク群では生存率を改善せず,予後不良因子を有する高リスク群において生存率の改善がみられる.再発後の化学療法の治療効果は不十分で第二寛解期以降では,積極的に同種移植を考えるべきである.Ph染色体陽性例に対するimatinibの導入は,第一寛解期における同種移植の実施を可能とし,治療成績の向上が得られている.今後,無作為比較試験によって化学療法と同種移植を比較検討し,日本人におけるエビデンスを作ることが望まれる
©Nankodo Co., Ltd., 2006