発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006268943
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パーキンソン病(PD)は,神経変性疾患としてはアルツハイマー病に次いで多く,振戦,固縮,動作緩慢を主徴とし,ドーパへの反応が良好な疾患である.その大部分は孤発型であり,遺伝歴を有するものは約5%とされている.近年の分子生物学やその手法の発展に伴い,原因遺伝子の同定や,その蛋白質の機能解明がなされている.パーキンソン病発症の原因を考えるうえで,遺伝学的素因と環境因子の相互作用が発症機序を考えるうえで重要である.PDのほとんどは孤発型であるが,その一部に単一遺伝子異常で発症する遺伝性PD(FPD)が存在し,その病態解明から孤発型の原因解明に結びつけようとする研究が世界中でホットな研究領域として注目されている.今回,頻度的にはまれであるとされていたα-シヌクレインの遺伝子重複の自験例も含めて,家族性パーキンソン病の原因遺伝子,とくに近年新たに同定され,わが国にも存在しているα-シヌクレインの重複,LRRK2,PINK1を中心に解説を行う
©Nankodo Co., Ltd., 2006