発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006078090
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下部消化管の分野では,炎症性腸疾患に抗サイトカイン療法が導入され,その長期経過や臨床上の問題点が明らかとなってきた.さらに,新たな抗体療法として,ヒト型化抗体を利用した治療や細胞接着分子への分子標的治療などが開発されつつある.また,これらの治療は当初Crohn病での治験が先行していたが,潰瘍性大腸炎への利用もはじまっている.さらに,成長因子などを用いた再生治療についてもデータが出つつあり,本邦でも臨床応用がはじまろうとしている.診断面では,小腸内視鏡の工夫と開発がある.カプセル内視鏡は低侵襲で病変の観察を容易にしたという特徴があるが,質的診断や病変の全体像の観察などに改良の余地がある.一方,ダブルバルーン法は鮮明な映像を得られ,かつ処置や生検が可能という特徴があるが,患者や術者への負担が大きいという問題があり,今後の改良が望まれる
©Nankodo Co., Ltd., 2005