【消化管腫瘍の内視鏡的診断と治療 最新の動向を探る】 内視鏡治療の適応病変と治療戦略 食道癌 深達度からみた治療方針

食道表在癌は多岐にわたる治療法を選択できる領域である.標準治療として,m1,m2ではリンパ節転移の可能性もなく内視鏡治療のよい適応である.sm2,3はリンパ節転移も高頻度に認められ外科切除が施行されている.m3,sm1はこれらの境界的領域にあり,リンパ節転移のない症例では,内視鏡治療の適応拡大ができると考えられている.深達度診断や転移リンパ節診断の精度に限界がある現況では内視鏡治療後の病理組織検査から追加の外科手術や化学放射線療法なども施行されている