発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006016586
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近年,小腸の内視鏡検査に大きな変革がもたらされた.それは全小腸内視鏡観察を可能にした2つの新しい方法,カプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡の登場である.いずれも従来未知の領域であった小腸におけるさまざまな疾患の存在を明らかにしつつある.カプセル内視鏡の最大の特徴は被験者にほとんど苦痛を強いることなく全小腸の内視鏡観察を可能にしたことである.ダブルバルーン内視鏡の最大の特徴は,病変観察後に引き続いて内視鏡治療が可能であるということである.ダブルバルーン内視鏡では,従来胃や大腸で可能である内視鏡治療のほとんどが小腸においても施行可能であり,実際にわれわれは止血術,ポリペクトミー,粘膜切除術,狭窄部拡張術,ステント留置など,小腸におけるさまざまな内視鏡治療を行ってきた.今後,カプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡はおのおのの特徴を生かして相補的に小腸疾患の診断・治療の発展に寄与するであろう
©Nankodo Co., Ltd., 2005