発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005251868
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LDLアフェレーシスは体外循環を用いLDL粒子を除去する治療法である.デキストラン硫酸セルロース(DSC)カラム法はDSCとアポBの電気的親和性を利用するため,LDLのみならずVLDL,IDL,Lp(a)などその他のアポB含有動脈硬化惹起性リポ蛋白も除去する.主な適応は家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体と薬物療法抵抗性のヘテロ接合体であり,閉塞性動脈硬化症にも保険適用がある.LDLアフェレーシスを用い強力にLDLコレステロールを低下させることにより,FHの心血管イベントの減少,冠動脈造影所見の改善などの報告がある.興味深いことに,単回治療前後でLDLコレステロール以外に炎症マーカー,凝固因子,酸化マーカーの低下,血管内皮機能の改善など動脈硬化に有利な変化を示し,このことは比較的短期間で自覚症状が改善するメカニズムの少なくとも一部を説明しうる
©Nankodo Co., Ltd., 2005