発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005138908
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甲状腺機能低下症に伴う痴呆は,treatable dementiaの原因として重要である.橋本病に伴う痴呆の病態としては,甲状腺機能低下症に伴う粘液水腫脳症が存在し,甲状腺薬の投与によって速やかな症状の改善を認める.橋本病に伴う痴呆の原因として,自己免疫性機序による橋本脳症が存在し,ステロイドが著効する.臨床症状・検査所見の多彩さから診断困難であるが,αエノラーゼのN末端に対する自己抗体を高率に有し,血清診断が可能である.日常診療においては,痴呆患者を診察した場合には,常に甲状腺機能低下症(橋本病)の存在を念頭に置いて診療に当たらなければならない
©Nankodo Co., Ltd., 2005