発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005061226
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胆管原発結石を胆管ビリルビンカルシウム石と定義し,その病態と成因について検討した.胆管結石症の胆摘胆管切石・乳頭温存後の10年結石再発率は3.8%,ビリルビンカルシウム石で6.4%であり内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)と比較し低値であった.ビリルビンカルシウム石の成因は胆汁うっ滞と胆汁感染が必須と考えられる.しかし胆道内圧測定の結果,胆汁うっ滞の原因と考えられた乳頭機能異常は胆管結石の原因ではなく結果にすぎないと推察された.一方,ビリルビンカルシウム石形成に対し胆汁中細菌,とくにグラム陰性桿菌感染はきわめて重要な役割を果たしていると考えられた.胆汁うっ滞に対するドレナージ治療は一見再発防止策のようにみえるが,同時に惹起される逆行性胆道感染によって結石再発を助長すると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005