発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005008572
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54歳男.咽頭痛,40℃の高熱,全身倦怠感が出現した.検査所見で汎血球減少,リンパ球増加,好中球著減,肝機能異常を認め,Epstein-Barrウイルス,ヒトT細胞白血病ウイルス,サイトメガロウイルス,風疹抗体が陽性であった.第8病日頃より全身状態が急に悪化し,肝障害,黄疸,白血球減少は増悪した.ステロイド薬,γ-グロブリン製剤,顆粒球コロニー刺激因子製剤投与に,血漿交換,赤血球,血小板輸血を行ったが反応なく,第12病日に重症肝不全,骨髄抑制状態で死亡した.剖検所見で,骨髄は成熟リンパ球主体の細胞髄化した組織で,赤血球を貪食した泡沫状組織球の増生を認めた.全ての細胞に異型性はなかった.肝臓は腫大し,割面も小葉中心性に出血が強くみられ,組織学的にはGlisson氏鞘周囲を遥かに逸脱した肝実質の広範な壊死,出血,成熟リンパ球主体の細胞浸潤を認めた.脾臓は腫大して線維化,壊死を認め,更に左肺下葉の出血性肺炎,全身出血傾向を認めた
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