発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002120764
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雑居ビルの地下室の内装張り替え作業を開始数時間後,6名の作業員全員が頭痛と嘔気を訴え,救急車にて搬送された.作業現場は窓のない地下室であり,発生状況から,発動機の排気ガスによる急性CO2中毒が推測された.頭痛を全例に,嘔吐を3例に,歩行障害を1例に認めた.症例1および症例5は救急搬送中すでに純酸素3lの投与が開始されていた.6名の平均動脈血はHbCOは24±2.5%であった.COオキシメーターの結果より,岡田らの分類から軽~中等度の急性CO中毒であると判定し,全例にマスクによる純酸素5l吸入と輸液を施行した.患者全員の血中HbCO濃度の時間推移の検討は純酸素吸入開始後,約4時間で血中HbCO濃度は10%以下に低下した.その後,ベッド上で純酸素吸入を翌日まで行い,全員無事退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2002