発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002022321
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29歳男.27歳時にマラリアに罹患し現地セネガルでchloroquineにて軽快した.今回自覚症状はなかったが,好酸球数が49%(4704/μl)と好酸球増多を指摘された.便の寄生虫卵検査で内部にミラシジウムを含むManson住血吸虫の虫卵を検出し,Manson住血吸虫症と診断した.12時間おきに1800mgのpraziquantelを2回経口投与し,その後5回の虫卵検査ではいずれも虫卵陰性であった.好酸球数は順調に減少し,約1年後には990/μlであった.日本人のManson住血吸虫症報告数は少ないが,熱帯・亜熱帯地方の発展途上国から帰国した好酸球増多の患者を診る場合には,本症を含めた寄生虫感染症をまず考える必要がある
©Nankodo Co., Ltd., 2001