臨床室
前十字靱帯ムコイド変性に伴う膝伸展制限に対する靱帯再建術
北出 誠
1
,
宮崎 剛
,
本定 和也
,
坂本 拓己
,
大木 央
,
小久保 安朗
1福井大学 整形外科
キーワード:
関節鏡法
,
関節疾患
,
MRI
,
膝関節
,
前十字靱帯
,
X線CT
,
前十字靱帯再建術
,
ムコイド
Keyword:
Arthroscopy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Joint Diseases
,
Knee Joint
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Anterior Cruciate Ligament
,
Anterior Cruciate Ligament Reconstruction
pp.39-41
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017306976
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43歳女性。誘因なく左膝関節痛が生じ、他院を受診、鎮痛薬の投薬を受けるも、症状が改善せず、受診となった。左膝関節単純X線側面像では脛骨後方傾斜は17.0°であった。MRIではT2強調像で前十字靱帯(ACL)は高信号を呈し、脛骨付着部で腫瘤状に肥大しており、celery stalkの所見を認めた。またBlumensaat線と大腿骨後方の軸のなす角であるsagittal notchは36.2°であった。ACLムコイド変性と診断し、鏡視下に変性ACLの切除とACL再建術を施行した。病理組織所見では泡沫状のムコイド変性を伴う好塩基性物質を認め、靱帯の線維性組織の走行は破綻し、微小嚢胞変性を認めた。術翌日より伸展時の疼痛は消失し、ROM制限も速やかに改善した。術後2週で全荷重歩行が可能となり、退院となった。
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