臨床室
人工足関節置換術後に外反母趾矯正手術が必要となった関節リウマチの1例
平井 幸雄
1
,
平尾 眞
,
蛯名 耕介
,
高木 啓至
,
田邊 誠
,
吉川 秀樹
1大阪大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節リウマチ
,
骨切り術
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
術後合併症
,
外反母趾
,
足関節置換術
,
足底圧
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Bone Wires
,
Hallux Valgus
,
Fracture Fixation, Internal
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Arthroplasty, Replacement, Ankle
pp.42-45
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017306977
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63歳女性。関節リウマチによる右足関節破壊に対し人工足関節全置換術(TAA)が施行されたが、右拇趾底・内側部に疼痛が出現し、外反拇趾変形を認めた。保存的治療が行われたが奏功せず、手術治療を行なうこととなった。術前X線像では前足部の正面像で外反母趾角41°、第1・第2中足骨間角9°、第1・第5中足骨間角22°であり、重症の外反母趾が認められた。側面像では距骨下関節の強直を認めるも、internal arch angleは133°、calcaneal pitchは17°と扁平足は認められなかった。CTでは第2中足骨の屈曲変形を認め、術前の足底圧分布では第1・第2中足骨頭部の荷重が不十分であった。治療にあたって、外反母趾に対してはSCARF法による矯正骨切り術、第2中足骨に対しては背屈・短縮矯正骨切り術を行い、Kirschner鋼線で固定した。術後、X線像では外反母趾角は8°、第1・第2中足骨間角は8°、第1・第5中足骨間角は22°と改善し、足底圧分布は術後4ヵ月で第1中足骨頭部を中心に荷重の増加が確認された。
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