発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271667
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約2ヵ月前に転倒し、左膝腫脹と跛行が出現した1歳5ヵ月女児について検討した。超音波検査では、左膝蓋上嚢に関節液の貯留と滑膜の増生を認めた。単純X線像では、軟部組織の腫脹を認めたが、骨破壊像はみられなかった。MRI冠状断では、外側半月板付着部にT2強調画像で高信号領域を認めた。矢状断では、著明な関節水腫、および滑膜の増生を認めた。血液検査では急性炎症反応は認められず、リウマトイド因子・CCP抗体も陰性であった。またその後、両側第3、4近位指節間(PIP)関節、中手指節(MP)関節、左足関節にも腫脹を認め、多関節発症型若年性特発性関節炎(JIA)と診断した。メトトレキサート、プレドニゾロン併用のMAP療法により関節症状、血液検査結果は改善した。発症から約1年現在、跛行やX線像上関節破壊を認めず、経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009