発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001158699
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69歳女.右大腿前面に15×8×5cm大の軟らかい腫瘤を触知した.CTでは大腿骨に接して,筋よりやや低密度の腫瘤像として描出された.MRI T1強調画像で筋と等信号,T2強調画像で不均一な高信号に描出された.T1強調画像ガドリニウム造影像では一部を除き造影効果を認めた.骨シンチグラムでは腫瘤に一致して集積を認めたが,骨へのはっきりした集積はみられなかった.針生検の病理診断は粘液型悪性線維性組織球腫(T2b N0M0 stage III)であった.患者の希望により患肢温存とし,筋肉におおわれた状態で腫瘍,大腿動静脈を一塊として切除し,その後大腿骨と大腿動静脈を剥離して確保した.摘出検体の一部が辺縁切除と評価されたため,大腿骨および大腿動静脈への術中放射線治療を追加した.術前の補助療法および術後の追加治療は行わず,術後12ヵ月で無病生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2001