臨床室
ボタン穴変形を呈する中指Dupuytren拘縮に対して二期的にMatev法を追加した1例
小泉 雅裕
1
,
倉石 達也
1新潟県立中央病院 整形外科
キーワード:
Dupuytren拘縮
,
再手術
,
手指
,
関節角度測定
,
ボタンホール変形
Keyword:
Dupuytren Contracture
,
Fingers
,
Reoperation
,
Arthrometry, Articular
pp.1259-1263
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017060211
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65歳男。右中指の伸展制限、使いづらさを主訴とした。初診時所見で右中指はボタン穴変形を呈し、高度近位指節間(PIP)関節屈曲拘縮を伴うDupuytren拘縮であった。初回手術として掌側ジグザグ切開で選択的手掌腱膜切除術を行い、中節骨と屈筋腱鞘におよびcordを切除したところPIP関節伸展の改善を認めたため、PIP関節に操作は加えなかった。術翌日よりROM訓練を開始したもののボタン穴変形が強まり、術後16日にMatev法による二期的変形矯正を行った。早期の関節可動域訓練開始が望まれたため、PIP関節のワイヤー固定は行わず、術直後よりROM訓練を開始した。術後約8ヵ月でDIP関節の過伸展は取れ、PIP関節の伸展も比較的良好でボタン穴変形は矯正され、Tubiana評価基準も良を得ている。
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