臨床室
小児有頭骨単独骨折の1例
恩賀 能史
1
,
中谷 徹也
,
木嶋 雄介
,
竹内 正史
,
飯田 康夫
1中谷整形外科病院 整形外科
キーワード:
ギプス包帯
,
骨折
,
鑑別診断
,
スポーツ障害
,
手首外傷
,
野球
,
有頭骨
Keyword:
Athletic Injuries
,
Baseball
,
Casts, Surgical
,
Diagnosis, Differential
,
Wrist Injuries
,
Capitate Bone
,
Fractures, Bone
pp.1048-1050
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403081
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10歳男児。左手関節痛を主訴とした。ソフトボールの練習中にグローブをつけている左手を地面につき、手関節を背屈強制された後、左手関節痛が出現した。単純X線で骨折像を認めず、手関節捻挫と診断した。ギプスシール固定を開始したが、1週間後に手根部に圧痛が残存するためMRIを撮像した。有頭骨にT1強調像で横走する線状の低信号域を認め、T2強調脂肪抑制像でびまん性に高信号域がみられた。その1週間後のCTで有頭骨腰部に骨折像を認めたため、前腕から手までのギプス固定に変更し、さらに4週間固定した。受傷後4ヵ月のCTで骨硬化像を認め、ソフトボールへの復帰を許可した。受傷後6ヵ月、疼痛や可動域制限はなく、X線で完全な骨癒合を認めた。また、MRIでの輝度変化は消失し、骨壊死の所見も認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016