臨床室
観血的穿刺で治療した高齢者ventriculus terminalisの1例
勢理客 久
1
,
六角 高祥
,
大城 義竹
,
金城 英雄
,
金谷 文則
1琉球大学 整形外科
キーワード:
MRI
,
超音波診断
,
穿刺
,
馬尾
,
脊髄嚢胞
Keyword:
Cauda Equina
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Punctures
,
Ultrasonography
pp.1045-1047
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403080
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78歳女。両臀部から下肢の痺れ、腰背部痛を主訴とした。10ヵ月前より腰背部痛と両臀部・下肢の痺れが出現し、間欠跛行が生じた。単純MRIでTh12/L1高位で円錐内にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号の病変を認めた。造影MRIでは同病変に造影効果を認めなかった。Ventriculus terminalisと診断し、手術を施行した。Th11棘突起を正中縦割り後、Th11椎弓全切除とL1椎弓頭側の一部切除を行い、硬膜管に達した。顕微鏡下に硬膜を正中切開し、背側に圧排された馬尾神経を認めた。これを左右に分けて円錐に達すると、同部位は菲薄・膨隆していた。円錐部背側正中で静脈が集中しているところを後正中溝と判断し、同部位を穿刺したところ、無色透明な内容液が1.7ml吸引された。内容液は脳脊髄液と同様であった。超音波で病変の縮小を確認し、運動誘発電位で筋活動電位の増高を認めた。術直後、両下肢痛や痺れ、間欠的跛行が改善した。
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