問題点の検討
人工膝関節全置換術におけるインサート厚1mmの違いによる術中キネマティックスへの影響
高木 博
1
,
古屋 貴之
,
加藤 慎
,
前川 勝彦
,
佐藤 敦
,
浅井 聡司
1昭和大学藤が丘病院 整形外科
キーワード:
生体力学的現象
,
X線CT
,
治療成績
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
コンピュータ支援手術
Keyword:
Biomechanical Phenomena
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Surgery, Computer-Assisted
pp.1377-1381
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016086571
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CTフリーナビゲーションシステムを使用し、Attune CR人工膝関節置換術(TKA)を施行した6例6膝(73~75歳、平均73.6歳)を対象に、ナビゲーションを用いたTKAにおいて、インサート厚1mmの変化による術中キネマテックスへの影響について検討した。5mmインサート使用時のAP-シフトにおいて、内外側顆ともにpardoxical anterior translation(PAT)を示さなかった。内外側顆ともに後方へのロールバックを示したが、外側顆が内側顆より後方へ移動した。6mmインサート使用時のAP-シフトにおいても、5mmインサート使用時と同様にPATは認めず、外側顆が内側顆より大きくロールバックした。両群間の比較では、内側顆AP-スフとの130°深屈曲位において5mmの後方移動量が6mmより有意に大きかった。外側顆AP-シフトは各屈曲角度で有意差はなかった。AP-シフトから得られた平均回旋パターンは5mm、6mmともメディアルピボットパターンとなった。ナビゲーションを用いたTKAでの術中キネマテックス評価において、インサート厚が1mm厚くなることで深屈曲での内側顆の後方移動が少なくなった。インサート厚1mmの変更は、術中キネマテックスに影響を及ぼすと考えられた。
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