創意と工夫
二層皮質骨ドリリング過進入予防のためのドリルストッパー
岡田 順
1
,
片岡 英一郎
1野崎徳洲会病院 整形外科
キーワード:
X線透視検査
,
外科用器具
,
内固定法
,
骨板
,
上腕骨骨折
,
橈骨骨折
,
治療成績
,
骨穿孔法
,
皮質骨
Keyword:
Cortical Bone
,
Bone Plates
,
Fluoroscopy
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Surgical Instruments
,
Radius Fractures
,
Treatment Outcome
pp.1382-1386
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016086572
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四肢管状骨や鎖骨などの手術での二層皮質骨ドリリングにおいて、ドリルの過進入予防のためのドリルストッパーを作製し、術者がドリル操作を滞らせることなく使用でき、安全性向上に有用と考えられたので報告した。2013年9月以後、20例(橈骨遠位端骨折・掌側プレート固定術12例、上腕骨近位骨折・プレート固定手術8例、20~87歳、平均65歳)を対象に、手術中での骨幹部二層皮質骨ドリリング(ドリル軸直径2.0~2.5mm)にドリルストッパーを使用した。このうち2014年2月以降の橈骨遠位端骨折8例(二層皮質骨スクリュー27本)で、ドリルストップ時のドリル穿孔深度D値と、その直後に実測したデプスゲージ計測値G値とを比較・検討した。D値はドリルストップ後にチャックハンドルを締めたまま把持して引き抜いた状態で、ドリルストッパー以遠のドリル先端までのドリル軸露出長を滅菌メジャーで計測した値である。全例において、有症性の術中動脈、神経、腱損傷はなかった。本ドリルストッパーを用いた橈骨遠位端骨折掌側プレート固定術8例(スクリュー27本)でのD値(14~21(平均16.6)mm)はG値(12~18(平均15.2)mm)に比して+0~+3(平均+1.4)mmで、D-G間の相関係数は0.96で、ドリル過進入抑止効果が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2015