臨床室
胃癌術後9年で播種性骨髄癌症をきたした1例
三又 義訓
1
,
佐藤 光太朗
,
鈴木 善明
,
張簡 鴻宇
1岩手県立中部病院 整形外科
キーワード:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
X線診断
,
胃腫瘍
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍播種
,
免疫組織化学
,
骨髄腫瘍
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
TS-1
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
Neoplasm Seeding
,
Immunohistochemistry
,
Radiography
,
Stomach Neoplasms
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Bone Marrow Neoplasms
,
Positron-Emission Tomography
pp.149-152
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014188455
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57歳男。高アルカリホスファターゼ(ALP)血症を主訴とした。14年前に早期胃癌(高分化型腺癌)に対し胃部分切除術が施行され、9年前に残胃癌(低分化型腺癌)に対して胃全摘術が施行された。術後は補助化学療法が施行され経口抗癌薬を2年間内服し定期的にfollow upしていた。血清ALPは2171U/lでALP2+3分画が上昇し、骨由来の高ALP血症と考えられた。骨シンチグラムでは脊椎・骨盤・肋骨・胸骨・肩甲骨にびまん性の高集積像を認めたが、FDG-PET、PET-CTともに主要臓器や骨に集積像を認めなかった。腰椎麻酔下にL4、L5、左右腸骨の4ヶ所から針生検を施行し、そのうち3ヶ所の骨組織で異型細胞が小胞巣状・腺腔状に増殖しているのを認め、腺癌と病理診断した。全身検索では新たな病巣は認めず、胃癌術後9年目に発症した播種性骨髄癌症と診断し、S-1+シスプラチンによる化学療法を開始した。
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